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自分の嗜好を他人に押し付ける一橋大学・学長様

政府税調会長:ビール風酒類に「酒文化を損う」と批判(毎日新聞)

(略)一橋大学学長の石会長は学生との飲み会での体験を披露し、「学生は本物のビールを飲みませんから、まがい物のビールを飲んで『ああまずいや』と焼酎に行っている」と発言。「低価格競争が本来のビールの味を忘れさせ、酒文化を損なっている」と酒造メーカーの営業方針を批判した。(略)
え゛ー、別に酒税を簡素化するのは結構。結構だが、ナニコレ? 一橋大学の学長様ともあろうお方が、他人の趣味・嗜好にケチつけるのか?

勿論、この発言の下敷きになっているのは、今月の頭('04/10/06)にキリンビールの発表した調査結果なのだろう。
ビール人気、20代で急落 職場付き合い減少が影響?(共同通信)
で、多分、学長様はビールが好きで好きで、もうビールが世界で一番美味しい飲み物だとでも思っておられるのでしょう。そりゃ結構。別に誰がどんなものを好きだろうが、人の自由というもので他人がとやかく言う筋合いはない。ワインだろうが、焼酎だろうが、ウォッカだろうが、メチルアルコールだろうがだ。飲みたいものを飲めばいい。
しかし、そういう人に対して「お前は本物のビールを飲んだことがないのだ。お前が飲んでるのはまがいものばかりだ。だからビールを嫌いなんだろう? 本物のビールを飲んでれば全員が、絶対にビールが好きになるのに」なんて文句をつけるやつはただのバカである。

学長様が言ってるのは、つまりそういうことだ。
自分の味覚(趣味・趣向)を絶対的なものとして「お前もこれ飲んでるなら好きになるだろ。好きにならないなら、それはお前が飲んでるものがニセモノか、お前の味覚がどうかしてるんだ」ってことだ。
「ビールを毎日飲んでるけど好きにならない人」は絶対に存在しない、という前提がそこにはある。自分の嗜好を押し付けるとは、何処の幼稚園児だろう?

調査をしたキリンビールの報告書はWebサイトで公開されているが、キリンビールの導き出した結論は全く違う(当たり前だ)。
キリンお酒と生活文化研究所 レポートVol.7 「20代のお酒の飲み方」に関する調査について(キリンビール)
ここの概要にも書かれてるが、調査の詳細結果のほうから引用すると、

(3) 「最近飲む量が増えたと感じるお酒は何ですか?」(単一回答)
20代ではビール(22%)が最も高いことから、まずは飲みやすいカクテル、チューハイなどからお酒を覚え、次第にビールを飲むようになっていく様子がうかがえる。また、晩酌が多い30代以上で最も高い発泡酒は、20代ではビールより低くなっている。焼酎ブームは各世代に反映され、20代でも男女ともに高くなっている。

3. 調査結果からの考察
消費者としてバブル経済を経験することなく、数々の企業破綻などを目の当たりにして伝統的な社会価値観が崩壊する時代に育った20代は、30代以上に継承されてきた伝統的な価値観とは異なる、独自の価値観を持っていると思われる。味覚嗜好のライト化だけでなく、「強いお酒を飲むのがカッコイイ」といった価値観ではなく、「無理して飲むのが必ずしもカッコイイわけでなく、自分が楽しめること、心地いいことがカッコイイ」といった価値観から、チューハイやカクテルが支持されていると考えられる。

単に酒の種類が増え、手軽に色々試せるようになったので相対的にビールの比率が下がってるだけにすぎない。

まがいもの(発泡酒のこと)を飲んでるからビールが嫌いなんだろうとは大きなお世話だし、ただの妄想である。
学長様は調査結果をちゃんと読んだのか? 読んでないのだろう。読んだ上で言ったのであれば、それはそれで問題である。

なんにせよ、いい年した大人がてめぇの趣味・嗜好を他人に押し付けるとはこれいかに。
あまつさえ「それはお前が貧乏でニセモノにしか触れてないからだ」とは、何様だ?

'04/11/28追記
インターネット日和: サッポロビール:増税反対キャンペーン

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